Nextwave Win3023DHの修理 |
ジャンクPCショップでリモコン付き\1kで入手したプログレッシブ対応DVDプレーヤなのですが、ジャンクですから当然壊れていました。
それにしても、この機種は定価\14800でプログレッシブ対応やアナログ5.1ch出力、多彩なフォーマット対応、はたまたVGA出力など、普通に考えれば驚いてしまう内容です。
そこで、海外安物DVDPの技術(といっても古い製品ですが)を勉強しながら、弄ってみようと思います。
開箱
この金属ケースは鉄板でできており、厚さもそこそこあり強度は問題ないようです。前面パネルはアルミ(?)でできており、予想よりはしっかりしてます。ただしつくりは非常に雑です。 dvdドライブとメイン基板とはIDEケーブルで接続されてます。 このDVDPの症状としては、電源はいらず、というものです。 電源ボタンを押すと「カチッカチッ」とsw電源の保護回路が動作しているような音がします。 |
|
そのsw電源の2次側。 まぁ予測したとおりと言いますか。 動作時の電圧を測ってみると、+12Vだけ電圧が出ていませんでした。原因はこのコンデンサでしょうか? |
|
とおもいきや、dvdドライブに繋がる電源ケーブルのコネクタが凄い色をしていました。 どうやら写真に見える+12V側の470Ω抵抗が焼けたようです。しかしなんでここに抵抗が?? あまりの熱で抵抗のリード線は断線し、基板も茶色に変色していました。 |
|
試しに無負荷でsw電源を動作させてみました。すると+12Vラインも一応出力されてます(ちょっと電圧高めですが)。 ってことはドライブ側?と思って、12V側の抵抗値を測ってみると0Ωでした。どっかで完全にショートしてます。 |
|
とりあえずコンデンサをこのまま放っておくのはまずいので、交換しておきました。 ニチケミのLXFだのルビコンのYKだの使ってしまいましたが、まぁ1年も使わないでしょうからこれでいいでしょう。 ちなみに通電中は、とくに+12Vと+5Vラインの整流ダイオードと平滑コンデンサは非常に熱くなります。 それにしてもこの電源、比較的省電力側の整流はシリコンダイオードを使っていたり、+3Vの電圧生成には+5Vからダイオードの順方向電圧降下を利用した方法を用いたりと、かなり適当です。しかもその+3Vってこの回路で使わないんですが・・・ |
|
原因
dvdドライブへの電源コネクタを抜くと正常に電源が入ることから、原因はこれにありそうです。 型番はDSL-720Aで、非常につくりがやすっちいです。 |
|
そのドライブのメイン基板には放熱板として鉄板がかぶせられており、それを外すとここが目にとまりました。 三菱のM63022というモータドライバなのですが、矢印の部分が真っ黒になってます。 |
|
こいつを剥がしてみると、見事にショートしてることが分かります。 これを剥がした後に+12Vラインの抵抗値を測定すると正常と思われる値になっており、まず第一の原因はこれでした。 それにしても、なぜsw電源の470Ω抵抗が焼き切れたのだろう? |
|
原因はこのM63022だけだと思いましたので、使えそうな物を探していたら、手持ちのジャンクCD-ROMドライブにM63013というモータドライバがありました。回路から推測するとピンコンパチのような気も? |
|
とりあえずやってみるしかない、ってことで、自爆覚悟でDSL-720Aの基板に装着。 放熱板を取り付け、電源を入れてみました。 すると、FLに表示が出てトレイの出し入れも出来るようになりましたが妙にその動作が遅く、また電源投入直後からM63013が猛烈に熱くなります。ディスクを入るとレーザー光が出ますがディスクが回転しません。 うーん、ということはひょっとするとスピンドルモータが故障しているのかもしれません。 |
代用品
接続がIDEなので、試しに手持ちのCD-ROMドライブを接続してみました。すると、問題なく音楽CDやmp3やjpegが再生できました。 | |
しかしdvdが見られなくては意味がないので、ちょうど別の中古PC店に松下寿のSR-8586Bが\980であったので買ってみました。dvdの読み出しは8倍速だそうで、速度はDSL-720Aと同じです。 | |
フロントベゼルやイヤホンジャックを取り外し、ケースのねじ穴と合わなかったので接着剤で固定しました。 | |
dvdドライブは前面パネルから数cm奥に位置するので、このように一般のドライブではディスク装着時に有る程度障害が発生します。 |
問題発生
dvdメディアによっては、図のように盛大なブロックノイズ&音切れが発生することが分かりました。 不思議なのは、ちゃんと読めるメディアは最後までスムーズに再生できるという点です。 |
|
まずは電源の容量不足を疑って、dvdドライブの電源をATX電源から供給してみることにしましたが、全く効果無し。 |
|
そこで、PCに接続してdvdドライブ自体の不良を疑います。 しかし、デフォルト(win3023dh)のIDEケーブルでPCに接続すると、Windows起動中にフリーズしてしまいました。そこで別のケーブルに交換したところ問題なくPC上でdvdの再生ができました。 |
|
ということはケーブルがあやしいです。 下がデフォルト、上の基板と接続されているのが交換したケーブルです。 |
|
このケーブルでdvdを再生させると、どのメディアでも問題なく動作しました。さきほどの映像もブロックノイズは皆無です。 | |
使用感
このDVDPはimpress watch http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20021212/nextwave.htm でも紹介されている物ですが、バージョンとしては新しいようで、変な日本語には対応していませんでした。 個人的に「アナロパ」は壺にはまりましたがw 使用感としては、とりあえずDVDを「見る」だけならこのクラスで何ら問題ないと思いました。 リモコンの操作にかんしては分かりにくい点もありますが、この値段なら仕方ないかなと。 |
|
背面端子群。アナログ5.1ch出力やVGA端子など豊富ですが、MIX-OUTと5.1chのFL,FRは同じ信号のようです。 ********************** ということで、\2kほどで修理が完了しました。 しかし、もうちょっと回路的に弄ってみたい場所があるので、改造(?)編に続きます。 |